無意味

ふとどうでもよすぎる昔話を書きたくなったので書く。異論は認めない。既に好き勝手やっている時点でハナから異論なんて認めてもいないのは気にしない方向で。

知る人ぞ知るまたは知られざる、というのは嘘で誰も知らない昔話その1(2以降もあるというのか?)

「すいはに戦争」

◆序章
時は2004年8月、萌えオタ化1周年を迎えた私は、2つの有名なエロゲがコンシューマー移植されるということで、「どっちか買おうかな?」などという今では考えもしないような検討を始めていた。その2つのゲームこそ、戦争の名前の由来であり、戦後もいくつか影響を及ぼすこととなる「水月」と「月は東に日は西に」である。

◆睨み合い
「作品乱発メーカー」として知られるF&Cの数少ない名作の一つとして知られ、「雪さんと共にマヨイガに旅立つ人が続出」したとして知られている「水月」。方や、「眠りゲー」という批判もあれど、新進気鋭のブランドであったオーガストを大手に仕立て上げた出世作はにはに」。両方ともなぜか気にされていたブランドイメージは上々で、これだけでは即決する事は不可能であった。となれば、まず評価されるのは一身上の都合により絵という事になる。絵師はそれぞれ☆画野朗べっかんこう。圧倒的なさはつかず、☆画野朗若干有利という結果となり、対決の初戦を取ったのは水月であった。

◆アニメ化
しかし、ちょうどその頃、はにはにはアニメとなっていたのである。体裁を気にしてはいけない。「アニメ化された」という事実が重要である。アニメ化には当然ながら、販促の効果が求められる。何故かは知らないが一定の効果はあったらしく、はにはに側にとっては追い風となった。過去にもアニメ化作品が買われた前例が持ち出されたからではないだろうか。

◆世界観
ゲームの選択に世界観も一役買うことがある(おとボクにおける世界観からの影響は極大)。しかしこの場合、主人公は2人とも記憶喪失であり、概ね学園物で、違いは都会か田舎かというものでしかおそらくない。そのため、世界観・シチュエーションが与えた影響は非常に少なかったと思われる。

◆追加要素
某ゲームは何故か6人ぐらいヒロインを増やし(その後PC版再移植!!)、某ゲームは崩れた原画を書き直し、地の文に使いすぎた語尾(のだった)を直し、某ゲームは演出を強化し、メインキャラ声優のサブキャラ兼用をやめ(アニメ化再変更イヤッハー!)、学院名を変更となんか最後のは追加要素と言えないような気がするが、とにかく追加要素がなければ既に原作をやったプレイヤーは食いついてこない。コンシューマー移植には追加要素が不可欠である。水月はにはにの追加要素はこのようなものであった。(詳細はメーカーOHPでどうぞ。といっても水月の方はKID倒産に伴ってどうなったのかな、と思って見にいったらまだ生きていた)

水月
・ファンディスク「みずかべ」AVG部分収録
・シナリオの変更と追加
・新規CGの追加
・主人公以外のフルボイス化(PC版なし)
・OP、EDソングの追加
・演出・システム強化

はにはに
・ヒロインを2人追加
・完全オリジナルとなる新ルート&エンディングを追加
・おまけシナリオ倍増
・イベントCG追加
・新オープニングムービー
・おたすけナビ搭載
・おまけモード「バストアップ鑑賞」の追加
・ムービーの収録
・高速スキップの実装

どちらも魅力的といってしまえば魅力的な追加要素である。この中で大きな意味を持つ追加要素は2つあった。それは―

◆意味
コンシューマーを買うぐらいだったら原作を借りればいいだろう、という指摘は理にかなったものである。それならば、「買う意味」を見出す必要がある。上の追加要素で「買う意味」を見出せるものとなれば、

水月
・主人公以外のフルボイス化

はにはに
・ヒロインを2人追加

以上の2つとなる。追加シナリオにはあまり魅力は感じられない。蛇足が多いからだ。そもそもこういう追加シナリオというのは原作ライターが関与しているものなのか。総じて評価が低いような。とにかく、ここで対立の軸はヒロイン個人の問題になってきた。あとはどれだけ大勢に影響を与えるようなヒロインが出てくるか、ということである。

◆互角
しかし、キャラクター個人で引っ張られることはそこまでなかった。決定打を与えられるキャラクターは、美琴は那波、雪さんと花梨はほなみんと茉理で拮抗している。双子とわはーはにはにのその他で抑えられた。完全に選定は行き詰ってしまった。だが、ついに水月側が最終兵器を繰り出した。フルボイス化に至っての声優陣の発表。これこそが勝負の分かれ目になったのだった(こんなところで「のだった」投入しなくてもいいのに)。

◆落胆
KIDは一斉に発表せず、順繰りに声優陣を発表した。しかしもう2年半前のことであるため、わはーが一番先だったのか双子が先だったのか和泉が先だったのか覚えていない。とにかく、雪さんが最後だったのは多分正しい。雪さん以外のキャストはただそれだけでも豪華と言えるものだった。というかはにはにと2キャラかぶった(美琴と和泉・ちひろと鈴蘭)。特に反響が大きかったのは那波・鈴蘭の2人。どう見てもD.C.の影響です。本当にありがとうございました。鈴に至ってはキャラクターままである。ちなみに花梨・アリスの中の人の存在を認識したのはこれが最初。なんかすごい。そして最後、勝敗を決するべく水月で最も人気のあるキャラクター・雪さんのキャストが発表された。

しかし、そこにあったのは「森山理来」なる聞いた事のない声優さんの名前。検索しても出てくることはない。水月は決定打を欠いた。

◆決着
結局決定打を欠いたまま双方とも発売日を迎え、私は両作品のそれをスルーすることになった。しかしながら、もはやこの話が終わったと思われた12月のある日、ついにずっと探していた決定打が見つかった。

(最近の表と裏を結び付けないという原則に反するけどまあいいや)
森山理来鳥居花音」という事実の発覚。
すべてはこれで決まり。こうして水月は買われ、はにはには捨てられた。

◆その後
時は過ぎて2006年9月、2年遅れで私はオーガストのゲームを手に入れた。「夜明け前より瑠璃色な」と名づけられたその作品は、またしても他社の作品と比べられ、またしても敗北した直後であったのだが、それはまた別の話である。それでもってその年のおぶじいやーにも関わってくるもののそれもやっぱり別の話。
水月サイドでは何が行われているというと、ゴールデンコンビといわれた2人が新ブランドを立ち上げ、なんか色々やっている。しかしいまだにそこのゲームを買っていない。
結局すいはに戦争で勝ったのは水月だが、その後も優位を保ったかは定かではないと言うことか。

◆余談
どっかで書いた気がするが、おとボクに興味を持ったのは「まりや・奏・一子の中の人」、つまりはにはにの声優陣が由来。

◆何が言いたいんだ
いえ、別に何も。

◆本当ですか?
・・・D.C.って偉大だなあ。

◆なげーよ
ここまで読むなよ!