烏丸ちとせとギャラクシーツインスター隊

今更なことを長々と考察。少しぐらい長い文章をたまには書かねばならぬ。
烏丸ちとせの性格におけるゲーム版とアニメ版での大きな乖離の原因をツインスター隊の存在に見る。

烏丸ちとせ

ムーンエンジェル隊の6人目として第二作Moonlit Loversから中途登場。
勉強熱心で真面目な性格。周囲への気配りも出来るが、柔軟性に欠ける面があるとされており、規律のゆるいエンジェル隊には当初馴染むために苦戦している様子を見ることもあるものの、
第二作終盤以降、立派なエンジェル隊の一員として活躍する。
アニメでは第四期からの登場で、エンジェル隊に配属されるが、病弱、「友情」の二文字に極端に弱いなどの設定がプラスされたことから、
彼女を演じた後藤沙緒里及びミルフィーユ役の新谷良子からは「名前が同じの全く別のキャラ」と評されるほど立ち振る舞いが異なる。

ツインスター隊

既に第一期第二期と合わせて26話分を消化していたことからマンネリ防止のためか、ドラマCDで登場したココモ、マリブのペイロー兄弟を使う形でアニメ版第三期から登場。
エンジェル隊のライバル的存在として鳴り物入りで登場するが、人気が芳しくなかったためか、第三期終盤ではアイキャッチ中に自分たちの出番がないことを示唆するなどの自虐ネタが盛り込まれるなど、
いわゆる「いらない子」状態にあったと言うことができよう。

烏丸ちとせのキャラクター的問題

第四期作成段階でちとせというキャラクターも本筋で登場したことで、彼女を登場させようという流れは当然のものである。
しかし、彼女の「勉強熱心で真面目」という性格は第三期までに積み上げられた「あの」エンジェル隊においては極めて異質なものであると言えるのではないか。
しかも悪いことには、アニメ版ではミントのテレパシー能力が剥奪され、ちとせが得意とする情報解析はテレパシーの代わりとしてミントの得意分野となっていた。
つまりゲーム版においての、他のエンジェル隊には出来えないことをすることによって、エンジェル隊において一つの地位を確立するという道は取れない。
ちとせのもう一つの特技といえば長距離射撃であるが、紋章機は自家用車に過ぎず、戦闘の描写すらギャグ化されてしまうアニメ版シリーズでは使える代物とはならない。
軍組織としてイマイチなエンジェル隊を立て直す試みという狙いでちとせを投入するという手もあり得るが、それは既に第三期でツインスター隊が辿った道でもあった。
つまり、烏丸ちとせ自体、ゲーム版そのままのキャラクターでは第四期時点では使いにくいものとなっていたということである。

ツインスター隊という存在

ツインスター隊は、第四期においてかなり頭の痛い問題だったのではないか。
ツインスター隊の登場によって、アニメ版シリーズの勢力図として、第三期以前の「エンジェル隊」「エンジェル隊以外の軍組織」「軍の外」という三つの区分から、
エンジェル隊」「ツインスター隊」「それ以外の軍組織」「軍の外」の四区分に再構成された。
第三期までは、エンジェル隊以外の軍人はおしなべてゲストキャラにすぎず、エンジェル隊とそれ以外の軍組織に大きな隔たりが存在した。
しかしツインスター隊はレギュラーキャラクターとしての登場であるため、必然的にエンジェル隊との距離感も近いものとなる。
この近い距離感も、ちとせの独立を容易いものにしてしまった。
第三期以前なら、エンジェル隊からの独立には大きな隔たりのあったその他の軍組織からメンバーを招聘せざるを得ず(実際以前にエンジェル隊を再構成しようとした話もある)、
その場合は独立部隊の構成員は、(マリブとココモを使うとしても)ゲストキャラにならざるを得なかっただろう。

ツインスター入り

お互いに問題を持っていたが、ちとせとツインスター隊の両方を(特にちとせに関しては)なかった事にすることなどできるはずもなく、
それならば、とばかりにちとせとツインスター隊という「イマイチ」なキャラクター同士をくっつけるという展開に至った。
ちとせというキャラクターにツインスター隊の立て直しという責務を与えることが必要であり、そのためのエンジェル隊からの脱退、性格の激変が必要不可欠となったのである。

所感

「キャラクターの違い」はエンジェル隊全キャラが避けられず、それぞれを比べるとやはり「名前が同じの全く別のキャラ」とまでは行かなくとも、
それに近い状態にはあったわけで、それでもエンジェル隊5人がそれほどの違和感を持たれていなかったのは、
第三期まででどんどん設定がはっちゃけていく過程を見ることができたからである。その分中途参加になったちとせは不利だった。
おそらくちとせが登場したのが第三期またはそれ以前であれば、こういうキャラクターには少なくともなり得なかったはずである。
その時期ならツインスター隊の投入も必要なかったことになる。
ただ、そうであってもちとせをエンジェル隊の中で実際に運用するとなるとまた難しい話になりそう(「貴方をおもゆ・・・」でのエンジェル隊各員のちとせのあしらい方は「らしい」ものだったし)。
規律に極端に厳しい、物覚えが極めて良い、恋愛に極めて鈍感、超々大食いみたいな感じだろうか?
ちなみに長々と妄想を垂れ流した割には、別にツインスター隊やアニメ版のちとせが嫌いなわけではありません。