5年ぶり4度目(1993年以降)

韓国が標準時を30分遅くしたいそうだ.
UTC+9を規定する東経135度線が領土を通っていないということで論理は通る.
だが、変更を試みる韓国の議員も、その論理だけに従って動いているわけではないことは、ニュースソースの中で言っていることだ.
その中では1954年にUTC+8.5にして、7年後にUTC+9に戻したという例が紹介されていたが、
変えた時、戻した時にそれを決定した人々が何を考えてそうしたのかという理由を紹介してはくれなかったので、ハングルを機械翻訳して調べてみたのをメモ.


・1954年の変更理由は1912年に導入された日本基準のUTC+9という植民地時代の制度の清算
 まあ当然か.
・1961年にUTC+9に戻した主体は、同年にクーデターを起こした朴正煕少将をリーダーとした軍事政権・国家再建最高会議
 0.5刻みの時差は航空・航海・天文・気象などの観測において合理的でなかったそうで、日韓で時差があることに不便さを感じた在韓米軍の要求もあったとのこと.
 別ソースによれば日本との貿易問題で、次官交渉時に日本側が要求したという説もあるそうだが.
ソウル五輪時に夏時間を使用したことがある
・それ以降、何度かUTC+9からの変更が試みられているが、現状維持が続いている
 1. 1993年に政府が主体となって、「民族主体性」を確立すべく変更を試みた.
 2. 2000年に与野党議員のグループがUTC+8.5への修正を求める法案を提出した.
   政府の反対意見は、「大部分の国家が1時間単位で時差を設けている」ということと、
   「朝鮮民主主義人民共和国UTC+9を使っているので、統一後に問題が生じるのは良くない」ということらしい.
   当時の韓国は金大中政権の下にあった.南北統一に全力で取り組んでいた頃である.
 3. 2008年に当時の与党・ハンナラ党の議員によって法案提出.理由は今回と同じようなもの.
変えると上で挙げたようないくつかの問題が表出するだろうし、変えなくとも「時間独立」なるものが達成されない、と不満に思う人々が残されるだろう.
どちらにしろ、おそらく数年後にはまた同じ問題を審議することになっているのではないかと思うが、
2013年現在の韓国の政治家たちは合理性と「民族主体性」のどちらを重視するのだろうか.